1人整体サロンにサブスクは向かない?通い放題を導入してたった2ヶ月で終了した話
昨今では、サブスクサービスを導入している整体院も増えてきました。中にはサブスク専門という整体サロンもありますよね。

実は、僕のサロンでも過去にサブスクを導入していたことがあります。
サブスクサービスが日本に広まり始めた頃、「整体でもサブスクができるんじゃないか」と思い立って導入してみました。
当時はサブスク整体を検索してもヒット件数が少なく、チャンスと思い何も考えずにスタートしてしまったんです。
結果は開始からわずか2ヶ月で終了。終了の理由は採算が全く合わないことに気づいたからでした。
1人サロンにサブスク(特に通い放題)は、物理的に無理があったのです。
この記事では、なぜ1人サロンでサブスクは無理があるのか、そして僕が実際に経験して感じたことをお伝えします。
売上が伸び悩んでサブスクを検討しようと考えているサロンオーナーさんの参考になると幸いです。
サブスク導入の理由

サブスクを導入したのは、NetflixやAmazonプライムをはじめ、様々なサービスでサブスクリプションが導入され始めていた時期でした。
テレビなどのメディアでもサブスクという言葉が頻繁に取り上げられていました。
サブスクリプション(サブスク)とは、月額などの定額料金を支払うことで、サービスを継続的に利用できる仕組みのこと。
当時は売上がなかなか思うようにいかず、なにか良い方法はないかと常に考えていた僕は「整体でもサブスクができるんじゃないか」と思いつき、調べてみたんです。
調べてみるとサブスク整体をやっていたのは全国でも数件程度。恐らくその数件のサロンや院のみなさんも手探りだったのか、参考になる情報は得られませんでした。
「誰もやっていないならやってみよう!」と、ほとんど何も考えずに行動に移してしまったのです。
すぐにコースの設計を始めました。サブスクといえば通い放題でなければいけないと考え、40分と60分の2つのプランを作りました。
料金は詳細は覚えていないのですが、40分が7,000円前後、60分が15,000円前後だったと思います。今思えば破格すぎる設定でした^^;
公式LINEでお知らせをしたところ、たくさんの方から連絡が来ました。「これはいける!」とワクワクしたのを今でも覚えています。
想定外だったお客様の心理

バイキングや居酒屋の飲み放題に行ったとき、元を取ろうと無理して食べたり飲んだりした経験はありませんか?サブスク整体でも全く同じ現象が起きてしまいました。
整体に来る理由が「身体が辛いから」や「自分のケアのため」ではなく、「元を取るため」に変わってしまっていたのです。
実は始める前から、元を取ろうと頻繁に予約を入れるお客様が出てくることは想定していました。しかし実際に始めてみると、その想定を遥かに超えていました。
3ヶ月に1度くらいしか来なかった若いお客様が週に2〜3度来るようになったり、「どこも辛くないけどせっかくだから」と来店されたり。
会話の中で「これで1回◯◯◯◯円くらいだ。あと何回来れるかな」とおっしゃるお客様もいました。
整体を受ける目的が、完全に「元を取ること」にすり替わってしまっていたのです。
そしてもう一つ気づいたことがあります。「忙しくて時間がない」とよく言う方でも、自分の利益のためならば時間を作れるということです。これはある意味、人間の本質を学んだ体験でもありました。
その中でも最もすごいお客様がいて、毎日予約が入るたびに泣きそうになっていました。そのお客様は・・・
一番困ったケース

その中で最も衝撃的だったのが、ある主婦のAさんのケースでした。
サブスクに申し込んだ後、ほぼ毎日のように予約を入れるようになりました。
最初は「熱心なお客様だな」と思っていたのですが、気づけば毎日のように予約が入るようになっていました。Aさんの予約のない日は「今日は入っていないな」と安心してしまうほど。
でも、その翌日にはまたちゃんと予約が入る…さすがに途中で「少し間を空けてみては?」と提案せざるをえなかったです。
最終的には1ヶ月で21日通われました^^;
整体は身体のメンテナンスとして定期的に受けるのが大切ですが、毎日通うようなものではありません。
施術者としての負担も当然大きくなります。1人で運営している以上、体力的にも精神的にも限界があると痛感しました。
Aさんのサブスク期間が終わる前日、気づいたら涙が出ていました。自分でも気づかないうちに、かなり疲弊してしまっていたんだと思います。
Aさんは「来月はどれくらい来ようかな」とルンルンでしたが、内心「こんなこと続けてられるか」と思ってしまいました。
実はAさんの旦那様も同じタイミングでサブスクを申し込まれていました。公務員として働いているので毎日は来られない。それが唯一の救いでした。
旦那様ご本人も「そんなにいっぱい来なくていいのに」とつぶやいていたほどです。
ところがAさんから「元を取るようにもっと予約しなさい」と言われていたそうです…^^;
そしてこの経験から、もう一つ大切なことに気づきました。
お客様の目的と僕の考えが完全にズレてしまっていたということです。
僕は「適切な頻度で身体のメンテナンスをしてほしい」と思っていましたが、お客様は「できるだけ多く通って元を取りたい」になってしまっていたのです。
2ヶ月で終了した理由
採算が合わないと気づいた僕は、1ヶ月で制度を改定することにしました。
通い放題から、初回は通常料金・期間内(1ヶ月間)であれば2回目以降50%OFFというプランに変更したのです。
canvaの中に当時作っていたPOPがありましたので公開します。

今思えば、そもそもの料金が安いのにさらに値引きをしようとしていました。
お客様に喜んでもらう方法が値引きしかないと思っていたのが、このPOPを見るとよくわかります^^;
この制度変更によって、Aさんはサブスクへの参加をやめていました。
通えば通うほど得をする感覚が薄れたからではないかと予想しています。
結局この改定も根本的な解決にはならず、終了を決断したというよりも限界になってしまった、というのが正直なところです。
開始からわずか2ヶ月でサブスクを完全に終了しました。
終了を告知した際、「次回やるときはもっと来よう」という声もありました。
自分の身体のために継続的に通おうではなく、イベント的な感覚になってしまっていたということ。それが一番残念でした。
1人サロンにサブスクが向かない理由

Aさんのエピソードは極端な例かもしれません。しかし問題はそこだけではありませんでした。
1人サロンには施術できる枠数に物理的な上限があります。
サブスク会員が頻繁に来ることで、新規のお客様や他のお客様が予約を入れられなくなってしまうのです。
複数のスタッフがいるサロンであれば、うまく活用できる場面もあるかもしれません。
例えば入ったばかりの新人スタッフの経験として活用することができます。
実際のお客様で施術ができるチャンスですし、お客様側も来れば来るほど得をするシステムなので文句も言いにくい。
(それでも単価が安くなると文句を言ってくるお客様もちらほらいたりしますが…^^;)
しかし1人サロンではそうはいきません。
仮に月額5万円のプランで週3回来られたら、1ヶ月で約12回。1回あたりの単価は4,166円になってしまいます。
本来リラクゼーションに来られるお客様は多くても週1回程度。4週で4回とすると、単発のお客様と比べて実質6回分の損益になるとも言えます。
さらに地味に辛いのが、お客様の来店理由が「元を取りたい」になってしまうことです。
身体は別に辛くないのに来店されるケースが増えます。
施術者目線で言うと、必要性を感じながら施術するのと、そうでない施術とでは気持ちがまるで違います。
ただマッサージをしてあげたいという方には合うのかもしれませんが、僕には合いませんでした。
時間は埋まるのに売上は上がらない。体力は消耗するのにやりがいも薄れていく。
これが1人サロンにサブスクが向かない本当の理由です。
回数制限をつけたら回数券と同じ

ここ数年でサブスク整体は増えてきました。実際に見てみると多いのが「月に◯回まで、それ以降は1回◯◯円」というプランです。
無制限でやってきた僕からすると、それは確かに健全なやり方ではあります。
しかし、それをサブスクリプションと呼んでいいのかは疑問です。
回数制限があって期限もあるなら、それは回数券と同じなのではないでしょうか。
最近では、整体業界でプリペイドカードへのチャージ方式も増えてきました。
例えば10,000円チャージすると500円分おまけがつくといった仕組みです。
期限があることで「チャージした分を損したくない」という心理が来店の動機になります。
サブスクのように「元を取ろう」と毎日来られるリスクも低く、1人サロンでも導入しやすいのではないかと思っています。
さらにチャージ額が多いほどサービス付与が多くなる設計にすれば、「どうせ来るから多めにチャージしよう」というお客様も出てきます。
これは、その月の売上が上がりやすくなるメリットにもなります。
ただ、これも構造としては回数券とほぼ同じです。
マイナス方向(使えば減る)かプラス方向(チャージして増やす)かの違いだけ。
結局、整体とサブスクはあまり良い相性とは言えないということなのです。
1人サロンオーナーも豊かに生活できる形を選ぶ
1人サロンに通い放題のサブスクは、物理的に無理があります。
サブスク会員が頻繁に来ることで枠が埋まり、単価は下がり、体力と精神は消耗していく。
時間は埋まっているのに売上は上がらないという状態になってしまうからです。
実際に僕は2ヶ月で限界になりました。回数制限をつければ健全になりますが、それは回数券と同じ構造です。整体とサブスクはそもそもあまり相性が良くないのです。
安さだけを売りにしていては、体力もメンタルももたなくなってしまいます。
1人サロンをやっている以上、サロンオーナー自身も豊かに生活できる形を選ぶことが大切です。
サブスク整体で疲弊していく一方の状態では、長く続けることはできません。
売上が伸び悩んでサブスクを検討しているサロンオーナーさんに、この失敗談が少しでも参考になれば嬉しいです。
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